第15回「五百羅漢さゞゐ堂」(夏66景) [広重・名所江戸百景]

(2011/09/10アップ)

2011/09/07(水)この項は前々回の”東京スカイツリー(本村橋から)”から続きます。

本村橋から東京スカイツリーを眺め、「五百羅漢さゞゐ堂」が描かれた舞台へやって来ました。

#00広重・五百羅漢さゞゐ堂(夏66景).jpg

羅漢は阿羅漢の略で、仏教の修行を積んだ最上位の聖者のことを言います。その聖者の五百体の像をかつては祀っていましたが、これが五百羅漢です。
広重の絵の、右の高い建物がさざえ堂(さゞゐ堂)です。この建物の階段は、さざえと同じようならせん状になっているので、さざえ堂と称されました。さゞえの”え”が”ゐ(い)”になってるのは、江戸なまりだそうです。
五百体もの木像があるので、その中には、亡くなった身内や知人とそっくりな像があり、ここに来れば、そのそっくりな像に会えるということで人気を博しました。
また、このさざえ堂は、三階建ての高楼で、絵からも分かるように眺望が良いことでも人気となりました。

#01、現在の羅漢寺(1)(羅漢寺の反対側の総合区民センターの4Fから撮影)

#01.jpg

現在は、4Fから眺めても、眺望はほとんど望めません。

#02、現在の羅漢寺(2)(総合区民センターのエントランス(2F)付近から撮影)

#02.jpg

羅漢寺の左の交差点は”区民センター前”交差点。江戸期の羅漢寺は六千坪以上の敷地がありました。この、画面に見えてる交差点や寺の前の道路など、かつては寺の境内でした。

#03、羅漢寺と「五百羅漢」跡石碑

#03.jpg

この石碑は、総合区民センターの前庭にあります。

#04、「五百羅漢跡」石碑と「江東区教育委員会の史跡説明板」

#04.jpg

石碑の右に、江東区教育員会の史跡の説明板があります。そこに記載の文章を以下そのまま掲載します。

 
五百羅漢跡(ごひゃくらかんあと)          大島四の五
     。 
    
五百羅漢は、元禄八年(1695)に松雲元慶禅師によリ創建された黄槃宗(おうばくしゅう)の寺院です。禅師は貞享年間(1684~88)に江戸へ出、元禄四年(1691)から木造羅漢像を彫り始めました。元禄八年、将軍徳川綱吉から天恩山五百阿羅漢寺(てんおんさんごひゃくあらかんじ)の寺号と六千坪余の寺地を賜リここに自ら彫像した羅漢像など五三六体を安置しました。
当寺の三匝堂(さんそうどう)は、廊下がらせん状に三階まで続いており、その様子がサザエのようであることから、または三匝とサザエの発音が似ていることから「さざえ堂」と呼ばれ、多くの参詣客を集める江戸名所のひとつてした。
区内には、五百羅漢までの道筋を示す道標が二基現存しています。
 羅漢寺は明治二十年(1887)本所緑町(現墨田区) へ移リ、さらに同四十二年(1909)現在地(目黒区)へ移転しました。
ここに残る石標柱は、五百羅漢跡を示すために昭和三十三年に建てられたものです。
平成二十年三月
江東区教育委員会


#05 羅漢禅寺(区民センター前交差点から撮影)

#05.jpg

#06 羅漢禅寺(拡大)

#06.jpg

江東区教育委員会の説明板によると、羅漢寺は目黒区に移転したということですが、現在もこの地には「羅漢禅寺」があります。
明治に移転したという羅漢寺と現在ある羅漢禅寺とはどういう関係かは分かりませんでした。
現在の、羅漢禅寺の縁起等を書いたものがないかどうか、探しましたがありませんでした。

#07 羅漢寺門柱

#07.jpg
 
門柱には「曹洞宗 羅漢寺」と刻んであります。
元々あった羅漢寺は黄槃宗であるので、同じ羅漢寺と称しても、元々の羅漢寺とは異なると思われます。

#08 羅漢禅寺(2000年5月4日撮影)

#08.jpg

これは、11年前撮影の写真ですが、大きな変化は無いようです。
     。 
 
<撮影データ>
撮影場所:東京都江東区大島三丁目1-8
撮影時刻:2011/09/07 14:57~15:23

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コメント 2

レッド

こんにちは。
江戸にもさざえ堂があったんですね〜(^_^)
by レッド (2011-09-17 09:42) 

きたろう

レッドさんコメントありがとうございます。
きたろうは、会津若松のさざえ堂を体験したことがあります。
足音がやたらに大きく響いていた印象が残っています。
by きたろう (2011-09-18 05:46) 

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